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土肥 輝美
ライケン, 22(2), p.20 - 21, 2022/12
日本原子力研究開発機構は、福島県の環境創造センター(福島県三春町)にも研究拠点を構えている。時折、一般の方々を対象とした施設公開やサイエンストークなどのイベントが開催され、同じ建屋に入っている福島県と国立環境研究所と協力してそれらのイベントに対応している。今般、2022年9月4日(日)に小学生を対象としたサイエンストークイベントで地衣類とコケ類を題材に話をしたので、ここで紹介したい。
土肥 輝美
ライケン, 21(3), p.29 - 36, 2021/09
本稿では、福島第一原子力発電所事故を受けて地衣類を研究対象とした背景、現在までの取り組みから明らかになった研究成果の概要を紹介する。
大村 嘉人*; 土肥 輝美
ライケン, 21(2), p.27 - 28, 2021/04
地衣類研究会誌上にて、最近刊行された地衣類の科学論文を紹介する。「量子化学計算を用いた地衣類における放射性セシウムと他のアルカリ金属の保持機構の推定」Suno, H., Machida, M., Dohi, T. and Ohmura, Y., Quantum chemical calculation studies toward microscopic understanding of retention mechanism of Cs radioisotopes and other alkali metals in lichens. 2021 Scientific Reports 11: 8228.
数納 広哉; 町田 昌彦
RIST News, (66), p.3 - 16, 2020/10
原子力発電所事故により環境中に放出され陸域に降着した放射性セシウムは、森林内において、地衣類や菌類等に蓄積・保持されることが知られている。特にキノコにおいては、その傘部分に放射性セシウムの濃縮が観察され、セシウムイオンは傘の色素分子と錯体を形成すると考えられている。本研究では、キノコ色素分子の代表例としてノルバジオンA分子に着目し、最新の量子化学計算手法を用いて、水溶液中でのアルカリ金属イオン錯体の分子構造と錯体形成におけるセシウムイオンに対する選択性(他のアルカリイオンとの錯体形成自由エネルギーの差)を評価した。その結果、アルカリ性の水溶液中で、ノルバジオンAはセシウムイオンと選択的に錯体を形成することが分かった。この計算結果は、キノコにおける放射性セシウム濃縮の謎を解く鍵になると考えられる。
土肥 輝美; 大村 嘉人*; 柏谷 博之*; 藤原 健壮; 坂本 義昭; 飯島 和毅
ライケン, 18(1), p.11 - 13, 2014/12
2011年3月に東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、「事故」)が発生し、大量の放射性物質が環境中に放出された。放射性降下物のモニタリングにおける地衣類の有用性は世界的に知られているにも関わらず、日本ではその有用性についての認知度が低く、地衣類の専門家も少ないために、本格的な調査はなかなか着手されなかった。筆者らは、福島第一原子力発電所周辺(半径約60km圏内)に生育する地衣類を対象として、事故後の放射性Cs汚染状況を把握するための調査研究を日本原子力研究開発機構と国立科学博物館との共同研究として2012年12月より開始した。本解説では、地衣類の種類や地点など、調査の概要について紹介する。
大貫 敏彦; 青柳 寿夫*; 北辻 章浩; Samadfam, M.; 木村 康彦; Purvis, O. W.*
Journal of Environmental Radioactivity, 77(3), p.339 - 353, 2004/08
被引用回数:16 パーセンタイル:33.95(Environmental Sciences)地衣類によるPu(VI)及びU(VI)の濃集実験を行い、吸着したPu及びUの分布をSEMで分析し、溶液中及び吸着したPuの酸化数を吸光光度計で測定した。その結果、Puは地衣の表面に濃集したがUはずい層にも浸透していた。溶液中及び吸着したPuはV及びIVに還元された。一方、UはVIのままであった。これらの結果から、Pu(VI)が地衣類により溶解度の低いPu(IV)に還元されて、地衣表面に濃集したことがわかった。
大貫 敏彦; 坂本 文徳; 香西 直文; 酒井 卓郎; 神谷 富裕; 佐藤 隆博; 及川 将一*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 210, p.407 - 411, 2003/09
被引用回数:14 パーセンタイル:64.64(Instruments & Instrumentation)葉状地衣類(Permotrema tinctorum)へのCoの収着機構をPIXEによる地衣類断面における元素の2次元分布測定に基づき検討した。Coの収着は24時間以内に平衡に達した。地衣類の断面におけるCoの分布から、Coは地衣類の表面及び地衣体部分に分布していた。中でも、地衣類の裏面に濃集していた。しかし、Coは葉緑体付近には濃集していなかった。また、Coは表面に捕捉された鉄鉱物には濃集していなかった。これの結果から、Coの地衣類への高い収着は地衣類の表面ばかりでなく地衣体部分への濃集に起因すると考えられる。
大貫 敏彦; Samadfam, M.; 木村 康彦; 北辻 章浩; 青柳 寿夫; Purvis, O. W.*
Proceedings of the International Workshop on Distribution and Speciation of Radionuclides in the Environment, p.174 - 180, 2000/00
ライケンへのPu(VI)とU(VI)の吸着実験を行い、吸着に伴う化学形の変化を検討した。その結果、Pu(VI)は吸着過程でIVに環元された。一方、U(V)は価数の変化はなかった。SEM-EDSにより、吸着サイトについて検討した結果、PuはLichen表面に一様に、Uは裏面に吸着していることがわかった。
土肥 輝美; 藤原 健壮; 大村 嘉人*; 飯島 和毅
no journal, ,
森林内でのCs沈着や移動挙動は、大気中から降下した際の気象条件、風雨などによる物理的な移動、Csの化学形態・存在状態などの影響を受けることが考えられる。本研究では、Csの化学形態を調べるため、福島県内発電所周辺で採取した樹木表面に生育する葉状地衣類のCsの沈着状況、粒子状物質の構成元素を調べた。
土肥 輝美
no journal, ,
放射性セシウムを長期間保持すると言われる地衣類、本発表では、2011年に起きた福島第一原子力発電所事故を受けて、地衣類を研究対象とした背景、地衣類が放射性セシウムを長期間蓄積する仕組みについて、福島県内でこれまで取り組んできた研究から明らかになった成果概要について紹介する。